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神の言葉 神は何も救わない。 神は何も求めない。 神は何も与えない。 神は何も答えない。 だから私は決めた。 耳を爆音で塞ぎ、決して心を見せず、狂気に組みする。 「仕方ないですよねぇ。だって、私が求めた答えをくれるのは、 鬼神様だけなんですから。」 鬼神様だけが、私の神。 「−−−−−−−−!!!」 もうあなたの声は決して私に届かない。 あなたのふっくらとした唇が、私を罵倒する言葉を紡いでいるのが分かっても。 それを音にしなければ、意味を成さない。 「それとも、あなたが示してくれますか?」 わたしに、答えを。 唇を撫でれば嫌そうに身を引く、死神様の息子。 狭間に親指をねじ込もうとして噛まれそうになる。 気位だけはやたらに高い、猫のよう。 囚われたあなたに、最大限の敬意を払う。 片膝をつき、くすみ汚れてしまった靴のつま先を自らの袖で拭い、 そっと口付ける。 神であるあなたに汚れなど似合わない。 だからわたしが想いを寄せることはできない。 けれど答えが欲しいと思うのは、人故のエゴか。 考えに気を取られていたせいか、一瞬油断が出来てしまったようだ。 口付けていない方の足が優雅に視界を横切ったかと思えば、 つま先にコードを引っ掛けてヘッドホンが外される。 漏れていた音が、部屋を埋め尽くさんばかりの爆音に変わる。 その中で、凛とした声がわたしの耳に、脳髄にまで響くように響いた。 「貴様が何を考えているかは知らん。 が、父上を裏切るというのなら、オレはお前を許さん。」 その言葉に、わたしの中の何かが決壊する。 「…許されないのなら、許していただく必要はありませんね。」 頭上で戒められていた腕を掴んですばやく引き倒し、床に伏せさせた。 背中の衝撃に顔を顰めているが、呼吸を整える暇は与えない。 露わにされている首筋に唇を落とした。 そう。もう許されないと分かっているなら、いっそスッキリする。 わたしが縋るのは鬼神様。 この狂気が少しでも安らぐ日が来るように。 神は、何も許さない。 |