ねむたい


テレビを見ていた。
ごろごろと、たまにはこんな休日も良い。
フラットな画面にはイルカやらサメやら、見たこともないような色とりどりの魚介が映っている。

「美味そうだな。」
「…水族館の飼育員も、そういう見方をする輩がいると知ったら、悲しむぞ。」

困ったように笑って、紅茶を一口。
キッドはいつになくのんびりとした休息を取っていた。
しばらく父・死神からの指示で方々に飛んでいたから、こんなにゆったりした気分になるのは一週間振りだろうか。

一週間振りのソウルとの逢瀬、ソウル自体はいろいろとしたいこともあるようだが、のらりくらりとかわして、現在に至る。
死神とて人より体力があるだけで、休みたい時は休みたいのだ。

紅茶を飲んで、テレビを見ていると、そのうちキッドを眠気が襲ってきた。
この眠気に抗うにはとても気持ちよくて。
いつしかうとうとと、ソファで舟を漕いでいた。

「眠いのか?」
「…ん…」
「寝るなら、ベッドで寝ろよ。」
「…あぁ…」
「聞いてる?」

苦笑と共に、ソウルの吐息がキッドの頬に落ちる。
心地よい眠気と身近に感じるソウルの体温に、キッドはますます眠りを我慢できなくなる。

「…運べ…」
「ベッドまで?」

誘ってる?と聞かれた気がするが、はっきりと返事ができない。

「まぁいいさ、たまには。お疲れさん、キッド。」

ソウルはソファで舟を漕ぐキッドを軽々と姫抱きにして抱え上げ、ふかふかなベッドまで運んだ。
キッドの体重を受けて沈むシーツ。
ソウルはそのままキッドを抱きこむようにして、一緒に眠った。

「起きたら、な。」

起きたらどうなんだ、と思ったがキッドはそのまま眠りに落ちた。
起きたら、ソウルの好きにさせてやっても良い、そんな事を思いながら。