死神姫・7


小人達の朝は早いですが、死神姫の朝はもっと早かったのです。

小人達が目を覚ますころには、焼きたてのパンが食卓に並び、彩り鮮やかなサラダに、
小人達が摘んできたきのこのチャウダーが6人分用意されていました。

「ほら、起きんかお前達。遅刻するぞ。」

炭焼きやその日の食料を手に入れるため三々五々散って行くだけなので、特に"遅刻"の概念は小人にはありません。
が、死神姫はお城で暮らしていたため、使用人たちが時間に正確だったのを思い出したようです。

一人ずつベッドを回り、一人ずつ起こします。
目を擦り、起き上がった小人達は一列に並んで顔を洗い、死神姫が用意した食卓へとつきました。

『いただきます』

小人達5人と死神姫の、6人で囲む食卓。
白とんがり…もとい、ブラック☆スターはものすごい勢いできのこチャウダーとパンを口の中に収めていきます。

「おかわりはあるから、良く噛んで食べないか…」
「そうよブラック☆スター。よく噛まないと、咽ても知らないから。」

キッドの言葉の後にポニーテール、椿が続けます。

「ん。」

ブラック☆スターから差し出された、木をくり抜いて作ったスープボウルに、キッドは苦笑しながらお変わりを注ぎます。

「僕も。」
「俺も!」

二本角・オックスと、ドレッディー・キリクから差し出された器にも注ぎ、死神姫はツインテールのマカと椿に目を向けます。

「お前達は?パンもまだあるぞ。それとも、フルーツヨーグルトにするか?」
「ヨーグルトまであるの?」

マカの言葉に微笑みながら、死神姫は昨夜発酵させておいたヨーグルトに、
小人が持ち帰ったバナナとりんごをカットして混ぜ、二人に渡しました。

「俺も喰う!」

すっかり胃袋を掌握されたブラック☆スターも死神姫に手を差し出しました。
そんな朝に、死神姫はとても幸せに感じ、同時に城に置き去りにしてしまった側用人・トンプソン姉妹に思いを馳せました。

(二人は今、無事でいるだろうか…)