死神姫・6


死神姫を逃がした後、シュタインは適当にイノシシを捕まえて解剖…もとい牡丹鍋を作りました。
牡丹鍋を美味しくいただいた後、心臓部分だけを魔女に引渡して金貨をたくさんもらいました。

「よっし!これでまた一匹からだから蛇を抜いてもらえるっ!!」

魔女は嬉しそうにシュタインからイノシシの心臓を受け取って立ち去りました。
こきっと首を少し鳴らし、頭のネジをギリギリ巻いたあと、シュタインはタバコを1本美味しそうにふかしました。
これから起こるであろう魔女の災難(?)を思うと我知らず、笑いがこみ上げるようでした。

一方、死神姫はというと。
小人の家にお世話になることになったので、お礼を兼ねて、と、ありあわせのものでせっせと食事の準備を始めました。
姫なのにも関わらず、完璧主義の性格のせい(?)で、死神姫は家事全般、器用にこなします。
料理を作らせればコックが、裁縫をさせれば服飾屋が、庭の手入れをさせれば庭師が脱帽するという徹底振り。
当然の事ながら、あり合わせの材料で作られた料理でも、お味は絶品。小人達は一口で死神姫の料理の虜になってしまいました。

男心を掴むならまず胃袋を掴め

を、素で実践する死神姫。
あっという間に小人達の心を掴んでしまいました。

「ほら、ここほつれているぞ。繕ってやるから、脱げ。」
「結び目がゆるくなってしまっている。
せっかくの美しい髪が台無しだ。結ってやるからこっちへこい。」

お裁縫や髪の手入れなどなど、まるで母親のように小人達の世話を焼く死神姫を、小人が嫌うはずありません。

「ねぇねぇ、明日も、明後日も、ずっとずっとここに居なよ!」
「それはいい案ですね!キッドなら大歓迎するよ」
「ご飯も美味しいし、お裁縫もお掃除も完璧だなんてすごい。」

口々に死神姫を引き止める小人達。
どうせ行くあても無い死神姫は、喜んで小人達の申し出を受ける事にしました。