ミネラル不足


「もー限界だ!俺はこれ以上無理!」
「ちょっとソウル…」

突然叫び始めたソウルに、困り顔のマカ。
手元にある悪人の魂リストの、まだ半分も魂を回収できていない。

「今日はあと2つはこなさないと、期限までに間に合わないんだけど…」
「いや、俺は帰る!誰がなんと言おうが帰るぞ!」
「そんな事言ってたって仕方ないでしょ!我慢してよ!」

ソウルの頑なな態度に、マカも徐々に切れ始めた。

「我慢?もうずっと我慢してるだろ。とっくに臨界点超えてんだ。ここらで一回デス・シティーに戻らせろ!
俺にキッドを補給してくれ!!」

もう三日もデス・シティーから離れてる、と続けて、ソウルは肩を落とした。

「ソウル、あのね、今日一日頑張ったら一回戻ってあげるから。だから、あと2箇所、頑張ろうよ。」

そんなソウルを宥めるようにマカは諭すが、ソウルの態度は軟化しない。
頭をガリガリ掻き毟ったかと思うと、今度は自分自身をぎゅっと抱きしめるように身を縮こまらせて唸り始めた。

「もうキッドが足りなさすぎる!ぎゅーって抱きしめて、頭わしゃわしゃしてぇ。」
「…そんな事言って、いざキッド君を目の前にすると、視線合わせるだけで精一杯のヘタレのクセに。」

そんなマカの呟きは鮮やかにスルーして、ソウルはバイクに跨った。

「そんな訳で、俺はキッド不足でもうダメだ。デス・シティーに帰る!
マカチョップがあれば悪人の一人や二人や三人や四人、ヨユーだろ。後は任せた!」

すちゃっと手を上げてエンジンのセルを回すが、そこはマカが阻止する。

「ちょっと待て、クソウル。
あと2つだけ頑張ろうって言ってるアタシの優しさが足りない?存分にアタシの優しさを喰らいやがれ!」

笑顔のまま、般若を背負ったマカにマカチョップの連打をお見舞いされ、ソウルは不承不承、魂2つ分を頑張った。

「よし!ソッコーかえってキッドをゲットだぜっ!」
「はいはい。魂回収したし、好きにしなよ。」

フルスロットルで帰還したデス・シティー。
タッチの差で任務に出て行ったキッドと、ソウルが会うことは無かった。