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マカの言い分 「マカ、一体どういう事か、納得のいくように説明してくれ。」 件の、女生徒が拾った本について、キッドはマカを問い詰めた。 死武専では掴まらなかったので、わざわざアパートまで出向いたのだ。 当然、そこにはソウルもいるわけで。 マカの部屋から押収した、女生徒が持っていたものと同じ本をテーブルに乗せ、 その本を指差しながらキッドは努めて冷静に問いただす。 「あーぁ…見つかっちゃったのか…」 特に詫びれる風もなく、マカは軽く首をすくめて、カフェオレを啜った。 キッドも出された飲み物を飲む。 キッドの隣に座るソウルは、テーブルに置かれた本を手にとって、ぱらぱらとページをめくり始めた。 そして数分後、「なんだこりゃ…」と呟きながら、ページをめくり続けている。 一向に口を開こうとしないマカに、キッドは軽く溜息を吐くと、とにかく要件だけ告げることにした。 「マカ、とりあえず、俺の名前を出すのは止めてもらいたい。」 「いけないことだって言うのは、十分分かってるんだよ。 でもね、現実的にこういったニーズがあるから…」 「待て。市場と需要・供給の問題は置いておいて、まずは俺へのいろいろな侵害の問題で…」 「私達には伝える義務があるの!」 マカの言葉にキッドは固まる。 今のマカの一言は、とても重要なツッコミポイントがあるのではないか、と。 「マカ、"私達"と言ったか?」 「そうだよ、わたしと、椿ちゃん。」 (椿もかっ!!!!) 「伝える、とは?」 「もちろん、ソウルとキッドくんの仲を。」 (俺達に友情以外の仲は存在しないが…) 「権利、と言ったな?」 「そうよ!わたしたちには知る権利も表現の自由も約束されてるの!」 (…俺はどこかの芸能人か…?プライバシーは無いのか…?) とりあえず、マカの言葉に胸中突っ込みを入れながら、キッドはまた一つ、溜息を吐いた。 さてどこからマカを諭そうか、と考えたところで、 暫く本を読んでいたソウルが、ようやく口を開いた。 「間違ってるぞ、マカ。」 「…ソウル…!」 (そうだよな、お前も被害者、マカにがつんと言ってやってくれ!) ソウルの、強くハッキリした言葉に、キッドは軽く感動した。 やはり、ソウルは友達なんだ、と。 マカの理不尽な"権利"の行使を、止めなければならない。と一種、同志のような思いを抱いた。 ソウルに続けてキッドも口を開こうとするが、さらにソウルが続けた。 「マカ、俺はこんな早くないし、もっと別の攻め方する。」 (…ナンデスト…?) 「…具体的に、詳しく話を聞きましょうか。」 どこからかメモとペンと取り出すマカ。 その様子を見て絶句するキッド。 「良いか、マカ。キッドは耳が弱い。 だから、耳を重点的に攻めながら、自分から強請ってくるようになるまで、ひたすら嬲り続けるってのが良いと思う。」 「それは経験上?」 「いや、耳が弱いのは確かだけど、俺等まだそんな関係じゃねーし。」 「ほほぅ…じゃあソウルは、何時かはキッドくんと…とは思ってるんだね?」 「そりゃ…まぁ。でもいろいろと手順があるだろ。」 「うーん、そりゃそうねぇ。」 「たまーに順番すっ飛ばして、犯し倒したいときはあるけどな。」 「すっごく良く分かるわ!無自覚だもんね、キッドくんは。」 メモにペンを走らせながら、マカの瞳がキラキラと輝かせながら、ソウルの話に食いついているのは気のせいか…? キッドはそれはもうショックで、じんわりと目に涙が浮かんできた。 (マカのみならず、椿が絡んでいたのもショックだったが…そうか…ソウル、お前も俺の敵だったのか…。 というか、そういう目で今まで俺を見ていたんだな…) がっくりとうなだれ、キッドは未だ熱い議論(?)をかわしている二人を残し、アパートを後にした。 その後三日、キッドは学校を休んだ。 |