バカップル・2


「ソウル…どうやら、できてしまったようなんだ…」
「…えっ…?!」

頬を赤らめながら、突然キッドの告白を受け、ソウルは頭が真っ白になる。

いわゆる、新婚ほやほやの二人。
それなりに関係もあるわけで。まぁ普通なら、なんとも微笑ましい会話なのだが。
問題は、この二人男同士という事で。
だから、"できた"といわれて真っ先に思い浮かんだことは、真っ先に否定されるのが普通なのだ。
…が。
男とは言え、相手は死神。
もしかしたらもしかするかもしれない。

「えっと…キッド…何ができたんだ…?」
「…そんなこと、言えるか戯け…」

ますます顔を赤らめて、俯きながらぎゅっと握りこぶしを作るキッドはとても可愛い。
そんなキッドを見つめながらも、ソウルの頭は高速回転を始める。

(え…そんな頬赤らめていう事って言ったら…ひょっとしたらひょっとするわけで…。
つーか、かわいいな、押し倒してー…)

「ここのところ、体調も悪かったし、どうも気分が悪かったんだが…
シュタイン博士に診てもらったところ、どうやら出来てしまっていたらしいのだ…」
「えっ?!医者(?)のお墨付きかよっ!!」

もうコレは間違いないだろう。
キッドは男だけれど、死神。何が起こっても驚かない。
むしろこれは嬉しいし、喜ばしいことだ。
二人の間の子供だなんて…考えただけで気分が弾む。

(男だったら…女だったら…名前はどうしよう?!)

うろたえつつも楽しそうなソウルの様子に、キッドが胡乱な目つきで見つめている。

「…そんなに嬉しいか?」
「そりゃ…嬉しいにきまってんじゃねーか!お前は嬉しくないのかよ?」
「俺は嫌だ!」
「…え…?」

喜び、浮かれまくっていたソウルに、突然冷水を掛けられたかのような衝撃的なキッドの言葉。
キッドは二人の間の子供が欲しくないとでも言うのだろうか。
もしそうなら少し…いや、とてもショックだ。

「死神に口内炎だぞっ!こんな事実、恥ずかしいではないか。しかも…痛い。食事のたびに痛みが走る…。」
「……口内炎…?」

おそらく、その裏側に出来ているのだろう。
右頬に右の掌を当てて、口内炎について切々と語るキッドを前に、ソウルは真っ白に燃え尽きた。