我想ふ


ソウルの指がゆっくりと肌を這う。
普段と変わらない行為なのに、触れてくる指から冷たさが伝わってくるのは、先ほどのソウルの言葉のせいだろうか。

『お前は、本当に俺が好きなのか?』

切欠は些細な事だった。
小さな事でケンカをして、そこから芋蔓式に話が大きく悪化していって。
最後に、溜息をつきながらソウルに言われた言葉だ。

キッドがどう答えたものか、逡巡している間に体は引き倒されて、慣れた愛撫を受ける事になった。

指のあとを追うように、ソウルの唇がキッドの耳朶を食み、首筋を通って鎖骨に触れる。
指は、鎖骨からさらに下へずれて胸へと這っていく。

その行為を当然の事のように思っているソウルに、キッドは腹が立った。

歯を立てて食いつけば、首筋の頚動脈はあっけなく裂ける。
喉に触れる唇が、歯に変わればたちまち食いちぎられて、死に至るだろう。
胸だって、キッド自身だってそうだ。
肌を合わせる度、急所を晒しているのはキッドの方なのに。

ソウルになら、たとえ殺されることになっても良いと想ってこの行為を甘受しているキッドとしては、ソウルの言葉は赦せるものではない。

だから、決してソウルに想いを告げない、と決めた。
ソウル自身が、キッドの想いに気づくまで。

好きだからこそ、抵抗しない。
好きだからこそ、体を許す。
好きだからこそ、急所を晒す。

体の奥に確実に点る熱を感じながら、キッドは思い切りソウルの背に爪を立てた。
一瞬、痛みに顔を顰めたソウルと視線が合う。

(気づかない、ソウルが悪い。)