死神姫・8


「ねぇエルカ。説明してくれるかしら?
何故、死神姫は生きているのかしら?」
フードを目深にかぶり、弧を描いた唇からはチロチロと蛇の形をしたオーラが覗く、魔女・メデューサが問いました。

「ゲ…ゲコ…(あんの狩人!アタシを騙したの?!)」

何も言えずに黙ってしまったエルカに、メデューサは小さく溜息をついて続けました。

「…いいわ。今回は見逃してあげる。
だから、今度こそちゃんと殺してきて。さもないと…」

メデューサは右手を軽く上げて、親指と中指をあわせました。
そのまま指を摩擦させ、"パチリ"と音をさせれば自らの身がどうなるか知っているエルカは、被っていた帽子を両手で引き下げ、小さく「ひっ!」と叫ぶと、肩を震わせはじめました。

「早く行きなさい。」

そのエルカの様子を見て、メデューサは楽しげに部屋から追い払いました。

「冗談じゃないっ!なんでアタシがあの狩人に騙されなきゃならないの?!しかもメデューサなんかのパシリにされて!」

部屋から出たエルカは怒り心頭ですが、体内に蛇を放たれている身としては、逆らうことは出来ません。
狩人・シュタインへの報復を胸に秘めながら、エルカはメデューサが突き止めた死神姫の隠れ場所へと赴きました。