死神姫・13


「し…仕方ないから、仲直りしてあげても…良いわよ…」

死神姫の手を取りながら、頬を染めて、それでも上から目線のエルカに死神姫は苦笑しました。
けれど、その様子を見て納得が行かないのは当然王子で。

「おいおい!ちょっと待てよ!
俺を無視して話が進んでるけど、これってだいぶ台本と違わねーか?!」

完全アウェイの雰囲気を一掃すべく、王子は死神様に食って掛かりますが、相手は神様。軽くいなされてしまいます。

「まぁまぁ。キッドくんがそれで良いって言ってるんだから、良いんじゃないのー?」

ね?と死神姫を抱き上げたまま、片手の拳を握り締めて、王子の頭をグリグリなでました。

「…っ痛ぇ…」

グリグリされながら、若干涙目で死神姫を見上げました。
黒い長い髪。
黄金色の瞳。
薔薇色の頬。
ふっくらした唇は、困ったように王子を見つめていました。

「全てが丸く収まれば、それで良いだろう?それじゃダメか?」

まだまだ魔女メデューサとの対決も控えているはずなのに、既に大団円な雰囲気漂う一行に、王子はついつい悪態をついてしまいます。

「くそっ!勝手にしろ」

不貞腐れた王子に、エルカの手を取りながら、死神姫は開いてる手で王子も誘いました。

「ほら、お前も来い。」

死神様は些か不満そうでしたが、王子はそれまでのあれこれを忘れて上機嫌で死神姫の手を取りました。