ゆへに我あり


言葉を噛締めているのだろうか。
きょとんとした顔を見て、ソウルは無性に腹が立った。
いつもいつも、一人で抱え込んでしまうキッドに、我慢が出来なかった。

腕を掴んで引き倒せば、その体は抵抗することなくソウルの手に落ちる。
触れれば素直に反応を返す。

ただ、瞳だけはきつく、ソウルを見つめる。
熱に揺れながらも、それは変わることがなく。
余計にソウルの癪に障る。

耳朶を、首筋を、鎖骨を食めば素直に吐息を吐くキッド。
甘さを含むそれに、普通なら満足するのだろうが、
ソウルは何も言葉にしないキッドに腹が立つ。

好きなら好き、と。
愛しているなら愛している、と。
言って欲しい。
態度で分からないでもない。
キッドが、色恋沙汰について、言葉で表現するのが苦手だという事も知っている。
けれど、たまには…。
心折れそうな時くらい、甘えて縋って、頼って欲しいと思うのは、ソウルのワガママだろうか。

だから、ソウルはワザとキッドの急所に唇を落とす。
首筋に、喉笛に、心臓に。
泣いて、「やめてくれ」と縋ってくれば良い、そう思って。

急所に触れるたび、キッドの体が跳ねる。
本当は、キッドが少なからず恐怖を抱いていることを知っていた。

キッドの中心を握りこみ、いまだ潤いの無いそれを少々乱暴に揺すると、キッドが瞳を非難の色に染めながら、
ソウルを見つめてきた。

(何も言わない、キッドが悪い。)