ゆびきり


不意に触れたくなった。
特に意味はないのに触れたくて、話しかけた。
「ねぇキッド君。次の課外授業なんだけど一緒に行かない?」
「構わないが…急にどうした?」
いつもはソウルと二人、単独で課題をこなすことが多いのに…と続けてキッドは腕組みをした。

キッドは武器姉妹を伴って掲示板前に立っていた。
姉妹のうち妹、パティがそんなキッドの首にじゃれついて一緒に掲示板を覗き込んでいる。
その背後には姉、リズが立って、いつも通り三人仲が良さそうだ。

「なんとなく、ここらでドカンとおっきな課題こなしたくって。」

曖昧に微笑んで、マカはキッドの隣に立った。
並んで掲示板を見るとキッドの方が少しだけ背が高い。
普段はそんなこと感じないのに、ふとした時に、男と女の差を思い知る。

それが悔しいとか、そういう事じゃなくて。
ソウルやブラック☆スターには感じたことのないトキメキ?のようなものを感じてしまう。
いつも一緒に居られるリズやパティが羨ましい。

「では、これはどうだ?」

キッドの手が掲示板から告知の紙をはがしてみせる。

内容をざっと見て、マカはキッドに微笑みかけた。
「いいかも♪」
「おいキッド、お前明日から死神さまの調査依頼受けるんじゃなかったか?」

後ろから告知を覗き込みながら、「それ、場所的に3〜4日は掛かりそうだよ。」とリズが告げる。
パティが「ほよ〜」と呟いて、キッドの頭をぐりぐりと掻きませた。
やめんか、と軽く払いながら、キッドは指を顎にあてて考え込む。

「ふむ…たしかに。」
「あ、じゃあ、次の機会でも良いよ?」
「すまない。」

頭たれるキッドに、マカは笑顔で手を差し出す。
小指を立てて、右手を。

「???」

疑問符を浮かべるキッドに、マカは明るく告げた。

「ゆびきり♪次は、一緒に課外授業しよう!」
「…あぁ。」

キッドはマカの指に自らの小指を絡めた。
その小指を見つめてマカは幸せそうに微笑んだ。