金色の瞳からこぼれる水が、蜂蜜のように見えた。
その様子を見て、舐めてみたい、と思った。
そんな事を言ったら、この友人は怒るだろうけど。

「なぁ…もういい加減にしろよ…」

ソファの隣に座るキッドは、白いハンカチを握り締めてさっきからずっと涙をこぼしている。
いつもの、
シンメトリーがどうとか、
額縁がずれているかも、とか、
トイレットペーパーを三角に折り忘れた、とか
そんな問題じゃない。

ぐずぐずと鼻水まで垂らしながら、テーブルの上のボックスティッシュを抱え込んでいる。
次から次へと鼻をかむものだから、鼻の頭が赤く擦れてしまって、キッドの白い目尻や鼻頭に紅がさす。

「うっ…うっ…ソウルは…これを見てもなんとも思わんのか…」

薄情者め、と続けて、キッドはまた一枚ティッシュで鼻をかみ、ハンカチで涙を拭う。

「…キッド…これ、でも、アニメだぞ?」

二人で並んで観ているテレビの画面には、
かの有名な『フランダ○スの犬』が流れている。

「…ネロが…パトラッシュが…
くそっ!なんて…なんて綺麗な魂の持ち主なんだ…」

うぅー、と再び泣き始めたキッドの肩を抱き寄せて、空いている方の手で頭を撫でてやる。

「そうだな。アニメだろうが関係ねーよな、お前には。」

半ば呆れながら呟くが、ソウルはキッドのこういうところも嫌いではない。
むしろ、好ましく思ってしまうのだから手に負えない。

(一体、オレは何時までキッドの前で『友人』で居られるか…)

キッドに分からないように小さく溜息を吐いて、ソウルはさらにきつく抱き寄せた。