エイプリルフール


「ソウル、今日は何の日か知っているか?」
「あぁ、エイプリルフールだろ?」
今日は朝から何度マカに騙されたことか。

始めはキッドが任務で4〜5年帰って来ない、とか
キッドには婚約者が居る、とか。
散々騙されてからキッドにこの言葉を言われても今更何の感慨もない。
むしろ、心の中は騙されるものか、と猜疑心で一杯になってしまっている。
しかも先刻まで死神様からの死神チョップ半殺しコースを喰らって意識も朦朧としていたのだ。(20090401参照)

「…エイプリルフール?
ソウルにとっては、今日はその程度の認識でしかないのだな…」
悲しそうに呟くキッドにソウルはぎょっと目を見開く。
(え…もしかして今日は特別な日だっけ?)
「えぇーっと…え?あれ…?」
しどろもどろ、指で頬を掻きながらキッドの様子を伺いつつ必死で記憶を辿る。
(出会ったのはこんな時期じゃねーし、告ったのも違う。
キスなんて順番すっ飛ばして告白する前だし…)
だんだんとキッドの目もキツくなり、ソウルはついに降参した。
「…わりぃ。今日ってエイプリルフールの他、何が特別な日だった?」

ソウルが言葉にしたとたん、キッドはじわりと目に涙を浮かべて
『信じられない』という表情をした。
「今日は、ソウルと出会って1年2ヶ月と18日目だ。
ソウルに告白されてから9ヶ月と3日、き…き…キス…されてから9ヶ月と17日の記念日なのに…」
「いや、ちっとも記念日じゃねーじゃん!
記念日ってのはもっとキリの良い数字って決まってるだろ?」

このソウルの言葉に、ひどい!と泣き崩れるキッドを宥め慰め、ソウルにとってはどこまでもツイてない日となった。