どうぶつにたとえると


「動物にたとえるとさ、椿ちゃんって犬だよねぇ」
「えっ?わたしが?」
「あー、分かる気がするな。癒し系だし。」
「パティはパンダかなぁ。」
「クマ科の珍獣だからか?実は凶暴だからとか?」
「…いや、純粋に可愛いと思って言ってみたんだけど…」

女の子の会話というのは聞いていて面白い、とキッドはいつも思うのだ。
例えば、人間として生きているのに、今も動物にたとえあったりしている。
ふんふん、と頷きながら、左右のブラック☆スターとソウルに声を掛ける。

「人を、動物にたとえるというのは、なかなか面白いものだな。」
「…何いってんの、オマエ。」

両サイドから呆れたような視線を受けて、キッドは少し下唇を噛む。
ちょっとした発見のつもりで二人に声を掛けたのに。
その二人からはバカにされたような視線を受けて、ちょっとだけ悔しい。
そんな様子を見たソウルは、両腕を頭の後ろに組みなおして背をイスに預けた。

「ブラック☆スターはあれだな、例えるなら鷹か?」
「なんで俺様が鷹なんだよ。
神を超える男を鷹と一緒にするなよな。せめて、ライオンとか。百獣の王!ライオン!!」
「バーカ。ライオンはマカだろう。どう考えたって。」

のけぞるソウルとは反対に、頬杖をつくように机へ身を預けるブラック☆スター。
納得、と苦笑する。

「そういうオマエは狼か?一匹狼気取りの。」

ニヤニヤと笑いながらソウルを見るブラック☆スターと、なんのかんのと話に乗ってくれるソウル、
その間に挟まれる形でキッドは座っているが、こういった時間がとても好きだ。
友達と、くだらない話で盛り上がる。
キッドにとってそれは今までにない時間で、今までで一番の時間。
ふふ、と笑いながら、ブラック☆スターの言葉に頷く。

「そうやって笑ってるけど、お前は猫だぞ、キッド。」

いろいろと、と付け加えられ、
キッドは小首をかしげる。

「…俺が、猫?なぜ。」

「気まぐれで、なついたりなつかなかったり。」
「そうそう、んで、なつくときはすっげー可愛い声で鳴くんだよな。」

両サイドからニヤニヤと含みのある笑みを送られ、
あまつさえソウルからは喉の辺りをゆるく撫でられて、キッドの体が強張った。

(…好きな時間だというのは、撤回しよう。ときどき、対応に困る…)