「キッド様。またそのような物と…お戯れも程ほどになさってください。」
「……見事なシンメトリーだろう。オレはコレを手放したくない。」





キッドたんの執事☆





ピラミッドで見つけた丸い物体を愛でているところを、ソウルに咎められた。
見つけた当初は睫毛の数がシンメトリーではないから、と蹴り付けてやったのだが、
あんまりにも不憫に感じたキッドは油性マジックで睫毛を1本つけてやり、家に持ち帰った。
以来愛着が湧いて事あるごとに愛でているのだが。
むんず、と掴んでキッドの腕から丸い物体を取り上げた、傍らに立つソウルを睨みつける。

ソウルは、キッドの執事だ。
細身の体にストライプのスーツが良く似合う。
Sランク執事ということで、死武専に入学することになった3ヶ月ほど前からキッドの執事として
睡眠する以外の時間ずっと側にいる。
当初は慣れなかったキッドも、だんだんとソウルに心を開くようになり、
今では親友のように仲が良い。

「何をするソウルっ!!オレのマルーを返せ!!」
「また勝手に名前をつけて。ダメですよ。生き物は責任を持って飼わなければ。」
「マルーはオレのものだぞ。返せ。」
当のソウルは困ったように微笑んで、右手を自らの胸辺りに当てて屈んでキッドの耳元に囁く。
「そうは参りません。私はキッド様の執事ですから。」
「執事とは言え、マルーを取り上げる権利などないだろう。」
ぷくっと頬を膨らませて、キッドは両手を伸ばしてソウルから丸い物体を奪おうとする。

「マルーの世話はちゃんとしているだろう。」
キッドの少し拗ねたような、愛らしい表情を優しい笑顔で見つめて、その頭をゆっくり撫でる。
「キッド様は、マルーに夢中になり過ぎです。」
「夢中になって何が悪い!シンメトリーは人類共通の美だろう。」
子供扱いに少々ムッとしながら、キッドはソウルの手を軽く払う。
「それでは私が困ります。」
「なぜお前が困るんだ、ソウル?」
きょとんとした表情で見つめるキッドに、ソウルはそっと顔を近づけた。
「キッド様が、わたし以外のものに目を奪われるのが、厭だからですよ。」
そしてそっと唇を重ねる。
見開かれる黄金の双眸。

「私から、目を逸らさないでください。」

キッドの顎を長い指ですくって、視線を合わせた。
そしてもう一度キスをした。今度は前よりも長く。

ゆっくりと唇を離したあと、悪戯っぽく微笑みキッドの唇を親指でなぞった。

「…ナイショですよ。
ご主人様と執事の恋愛はご法度ですから。」

耳まで真っ赤に染まったキッドは、無言でコクリと頷いた。







メイちゃんの執事最終回に萌えて。

『目を逸らさないでください』これ、言われてみてぇ!!!!
ってことで、ソウキドで萌えさせてみました。
ちなみに、巷で『きゅー』と呼ばれている丸い生き物?は
キッドたんが勝手に『マルー』と名づけました。